

THE ANCHOR
開発ストーリー
開発ストーリー
THE ANCHOR Development story


酸性時代の幕開け
The dawn of the acidic age
2006年にスピエラが発売されたことで、それまでほぼチオグリコール酸だけだった酸性領域での還元が大きく変化します。また、それと同時期に「グリセリルモノチオグリコレート(以下:GMT)」が見直され製品化されるように。この2つの還元剤は、アルカリ性中心だった還元剤の領域に旋風を巻き起こしました。還元そのものが律速で実用的でないと思われていた酸性領域での還元を、特殊な技術が必要ない身近な存在へと大きく進化させたのです。私たちは、2010年にスピエラ・GMTを還元剤とした「アンセス」を発売。酸性領域での還元という、まだまだ未開の地ともいえる領域へ繰り出すことを決めたのです。


酸熱トリートメントから
酸熱補正へ
From Acid Heat Treatment to acid heat correction
2015年ごろ、酸熱領域へのアプローチとして「酸熱トリートメント」という技術が生まれます。初期の酸熱トリートメントは、グリオキシル酸という酸が主役でした。このグリオキシル酸は、自然で美しいツヤが出ます。その上、うねった髪が「ある程度なら伸びる」のです。ただ、酸熱トリートメントの正しい情報や使用方法などの確立が遅れたため、トラブルの多い製品となっていました。トラブルの原因は、酸熱トリートメント(グリオキシル酸)の特徴である「ある程度なら伸びる」というところでした。「このツヤのまま髪をストレートに伸ばしたい」と美容技術者が考えるのは当然のことです。そうして、「もう少し伸ばしたい」という気持ちから、薬液のテリトリーではないところで施術をしてしまい、髪が傷んだといったトラブルが多く報告されるようになってしまったのです。その後、酸熱トリートメントに対しての正しい理解が進み、このようなトラブルは減少しました。ただ、トラブルが減ったとはいえ、「酸熱トリートメント」という言葉が「トリートメントだから髪は傷まない」といった混乱を招いているのではないかと考え、私たちは「酸熱補正」という言葉で、この技術を表現することにしました。そうして「酸熱補正」の技術を集約し、確立したのが2018年に発売した「サプレス」です。


酸熱のツヤのまま
髪を伸ばしたい
Keep the acid heat shine I want to grow my hair out
「酸熱で伸ばしたいという美容技術者さんがいるならば、伸ばせる酸熱を作ろう!」そう考えた私たちは、レブリン酸に着目しました。レブリン酸は、ツヤは抜群に出るものの髪のクセはそれほど伸びないという特徴があります。この「伸びない」ところを、還元剤を少し入れることで補えないかと考え、このアイデアを商品に落とし込みました。酸熱補正の効果が中心で、もう少しクセが伸びるというコンセプトのもと生まれたのが2019年発売の「レブリミット」です。

レブリミットのような
ツヤ感、
アンセスのような
伸び感が欲しい
Glossy, like Revlimit.
I want a shine like Revlimit I want a stretchy feeling.
レブリミットでは、酸熱補正に還元剤を加えることで、酸熱補正を酸性ストレートに近づけました。今度は逆に、酸性ストレートに酸熱補正の効果を加えることができないかと私たちは考えたのです。酸熱のツヤ感・質感でストレートを望む美容技術者がいるならば、その要望に応えたい。常に現場や市場の声に耳を傾け、ニーズを集め、さらには次に求められる商品を先々に予測して開発していくのが私たちの使命だからです。このアイデアで一番大きなネックとなったのが、使用する還元剤でした。酸性の薬液として確固たる地位を確立しているスピエラやGMTは、pHが下がりやすい還元剤です。そこにさらに酸熱の効果を出すための酸が存在するとなると、予想以上にpHが下がってしまい、色落ちや傷みにつながるような危険があります。それならば、どの還元剤を使うべきか・・・チオグリコール酸、システアミン、チオグリセリン、システイン・・・・様々な還元剤を試し、試行錯誤するものの、私たちの求める還元剤がない。私たちは頭を悩ませていました。


チオグリコール酸
システアミン
との出会い
Encounter with cysteamine thioglycolate
突如私たちの元に、彗星の如く現れたのが「チオグリコール酸システアミン」でした。
チオグリコール酸もシステアミンも古くからある還元剤です。1998年、パーマといえばアルカリ性だった時代に、中性の薬液としてアルカリ性領域に一石を投じた還元剤こそが、このシステアミンでした。システアミン自体は、アルカリ性です。しかし当時は、システアミンだけで存在するには不安定だったため、塩酸と中和させシステアミン塩酸塩として中性の薬液で販売されていました。それから20年、技術の進歩により塩酸と反応させなくても安定している精度の高いシステアミンが作られるように。それならば、「チオグリコール酸の酸とシステアミンのアルカリで中和しよう」という発想から生まれたのがこの還元剤です。チオグリコール酸システアミンを実際に試してみたところ、酸と一緒に存在しても安心して使うことができる、まさに私たちが求めていた還元剤でした。さらに、熱を加えるとツヤを増すことから、熱が必要な酸熱補正との考え方にも一致。この還元剤をメインに酸熱成分を合わせることで、今までにない独自のツヤ感や質感を出すことができました。こうして「THE ANCHOR」が誕生したのです。

THE ANCHORは
酸性時代の礎になる薬液へ
I can focus on my craft.
チオグリコール酸システアミンは、ゆっくりと髪を還元させていきます。そのため、髪に塗布した後、安心して時間を置くことが可能。美容技術者は、自分の経験と感覚で塗布後の時間を考えられるため、自分の技術に集中できるのです。ゆっくりとした還元はエイジング毛にも効果的です。しっとりとしたツヤを保ちながらも、髪はふんわりと立ち上がり、ストレートやパーマの効果は長く継続されます。そして、施術から時間が経っても毛先が硬くなってくるようなことはありません。 2021年に入り、酸性領域での施術がその仕上がりの良さから急速に関心を集めるようになりました。その結果、酸性時代の先駆者として開発されたアンセスが更に見直される結果となりました。開発から10年が経とうとしている頃でした。 いま酸性領域での薬液は、「酸性ストレート」・「酸性ストレート+酸」・「酸熱補正+還元剤」・「酸熱補正」という 4つのカテゴリーがあります。まだまだ酸性領域は未知の領域です。今後も酸性領域での薬液や処理剤はたくさん出てくるでしょう。しかしそれでもなお、ジアンカーはその礎になる薬液の一つだと考えています。


THE ANCHOR4.5
新発売
THE ANCHOR 4.5 Newly released
弱酸性で高還元であるジアンカーpH6.0のリキッドとクリームのラインナップに加え、pH4.5のクリームのみのラインナップが新登場。
ジアンカー4.5のポイントは、ブリーチ毛などのハイダメージ毛に対応できる適度な還元力と補修力です。現在、いろいろなカラーデザインがみられケミカルダメージが強くなっている傾向にあります。ジアンカー4.5は、ダメージが強くなっている毛髪が耐えられる
pHはどこなのか?残存するS-S結合に必要な還元剤濃度はいくつなのか?ハイダメージ毛に対処できる適正還元を行えるスペックを突き詰めました。しっかり伸ばすことや曲げることが目的ではなく、ダメージを受けた髪の毛羽立ちを抑え、まとまり良く落ち着かせることのできる薬液になっています。
THE ANCHOR 製品情報へ


新しい酸性還元剤のTHE ANCHORは、
弱酸性で高還元の薬液となっています。
また、通常の薬液に
酸熱の仕上がりが加わっており、
熱によってポテンシャルが上がります。
pH違いのダブルアイテムにより
幅の広い施術が可能になりました。
※デジタルシーン:外部から熱が供給される場面
ジアンカーとは
About The Anchor
ジアンカーは、
チオグリコール酸システアミンを使った
弱酸性の薬液です。
有機酸還元剤であるチオグリコール酸に
普通のアルカリではなく
有機塩基還元剤である
システアミンを
イオン結合(塩結合)させた
新しい形の還元剤です。
pH違いのダブルアイテムにより
幅の広い施術が可能になりました。
ジアンカー誕生の裏側
Behind the birth of The Anchor
チオグリコール酸
システアミンに着目
2020 年に少し話題になってから影を潜めた還元剤ですが、
処方的に使いこなすと現場でも面白い結果を見せてくれます。
等電帯での還元と酸熱の融合という意味を感じて頂ける仕上がり感です。
化学式としては下記のとおりです。
Cysteamine thioglycolate : HS-CH2-CH2-HN3+・-OOC-CH2-SH (分子量169.34)
非常に簡単な、一目でシステアミンとチオグリコール酸で成り立っていると分かる還元剤です。
ここにレブリン酸が入ってくると面白そうだな、ということも何となく分かります。
今までにないモノなら創ってみよう! それがオレンジコスメです。
レブリン酸を投入
チオグリコール酸システアミンにレブリン酸、
さらにエルカラクトンとアルギニンを加えました。
これだけ成分が入っているからこそ、美容師さん・研究者の期待も大きくなります。
ジアンカー誕生
酸性領域での新しいカテゴリーとして「ジアンカー」が誕生しました。
酸性領域について
About Acidic Regions
pH=7未満が酸性領域
ということになりますが、
酸性薬液が増えてきた美容業界では、
酸性領域=等電帯と解釈される方も
増えてきました。
等電帯とは毛髪が電気的に安定な状態
と考えられる範囲の事です。
一般的な等電帯は
pH4.5~5.5ですが、
毛髪はダメージや施術の履歴、
普段のケアによって毛髪のpHは
多少変化していると考えられます。
ジアンカーはその変化を考慮した上で
薬液pHを設定しています。
-
pH6.0のリキッドとクリームのラインナップです。一番重要なポイントは弱酸性で高還元であることです。ミドルダメージからエイジング毛の形を変えるには、どの還元剤を選び、どのpHに合わせるかといった薬液のスペックが重要になります。ジアンカー6.0は、化粧品基準の上限に近い還元剤濃度とイオン結合が少し緩みはじめるpH6.0で毛髪にアタックできる薬液になっています。常温でも反応しますが、熱を加えることでさらに還元効果を発揮するだけでなく、ツヤ感や質感も向上します。デジタルシーン(ホットクリープやアイロンなど熱を使うことのある場面)では、最小限のダメージで活躍します。
- 対象毛(DL3±)
- ミドルダメージ毛、エイジング毛、カラー毛
-
pH4.5のクリームのみのラインナップです。ポイントは、ブリーチ毛などのハイダメージ毛に対応できる適度な還元力と補修力です。現在、いろいろなカラーデザインがみられケミカルダメージが強くなっている傾向にあります。ジアンカー4.5は、ダメージが強くなっている毛髪が耐えられる pHはどこなのか?残存するS-S結合に必要な還元剤濃度はいくつなのか?ハイダメージ毛に対処できる適正還元を行えるスペックを突き詰めました。しっかり伸ばすことや曲げることが目的ではなく、ダメージを受けた髪の毛羽立ちを抑え、まとまり良く落ち着かせることのできる薬液になっています。
- 対象毛(DL4±)
- ブリーチ毛、ハイダメージ毛
この先、
無くてはならない存在へ。


我々はレブリミットで酸熱を少しだけ
薬液のテリトリーに進化させました。
ジアンカーは逆に薬液を
酸熱に近づけてみたのです。
進化というより融合と考えてください。
今あるモノを変化して進化と呼ぶのでは
なく、
別ジャンルの製品を合わせて
融合させていくことで
現場が進化していくのです。
スピエラやGMTといった酸性専用の
還元剤もありますが、酸性領域での
還元はまだまだ可能性があります。
ジアンカーは等電帯薬液として、
今後のサロンメニューに無くてはならな
い存在になると確信しています。
ポイント
Points of The Anchor
ジアンカー特長まとめ
Feature summary of The Anchor
弱酸性で還元できること、アルカリが入っていないので
ダメージ毛(特にエイジング毛)に使いやすいこと、
システアミン独特の柔らかさとチオグリコール酸のしっかり感が上手くかみ合っていること、
従来のシステアミン製品に比べてかなり残臭が少ないこと等、
研究していく中で今までとは違うメリットがたくさんあることが分かってきました。
ジアンカーの強み
The strength of The Anchor
一般的にはpH=7未満が酸性領域ということになりますが、実務的にいう酸性領域とは
等電帯になります。
等電帯とは毛髪が電気的に安定な状態と考えられる範囲の事です。
我々は等電帯を 4.5~6.0 と考えています。この範囲での施術が毛髪に負担をかけない範囲であるということです。
ダメージの度合いによって毛髪の等電点は変わってくるので、酸性領域でも毛髪診断は重要です。
電気的に安定しているということで還元や酸化が進みにくいということもありますが、
薬液の浸透を高める工夫を施しています。
等電帯で毛髪の安定感を崩さずに毛髪に変化をつけることが出来る、これがジアンカーの強みです。
デジタルシーンでの活躍
Active in the digital scene
デジタルシーンとは、デジ機・アイロン・ドライヤー・パルッキー・遠赤・コテ等の熱を使う全ての場面を表しています。
ジアンカーのために用意した言葉ですが、全ての施術に共通して表現出来る言葉だと思います。 熱が外部から供給される場面=デジタルシーンと捉えてください。
ジアンカーはデジタルシーンにおいて最小限のダメージで活躍することは間違いありません。
ジアンカーにはレブリン酸も配合してあるので、酸熱的な効果もあります。 色々な意味でジアンカーは、熱対応薬液と呼べるかもしれません。
特長成分
Feature component
チオグリコ-ル酸システアミン
有機酸還元剤であるチオグリコール酸に普通のアルカリではなく有機塩基還元剤であるシステアミンをイオン結合(塩結合)させた新しい形の還元剤です。チオグリコール酸の「優れた還元力」とシステアミンの「毛髪に対するダメージの少なさ」この2つの特長を併せ持つ還元剤です。
レブリン酸
保湿力が高く、髪にツヤと柔らかさを与える酸性成分です。 熱が加わることでさらに高い効果を発揮します。
各種CMC成分
複数の脂質成分をナノカプセル化することで、内部のダメージ部分を効率的に補修します。破断強度向上、保水性の向上に加え枝毛や切れ毛の抑制にも期待できます。
ファイバーハンス
毛髪の主成分であるケラチンと結合し、ハリコシを与える毛髪強化剤です。キュアテイン、シナチントップとの相乗効果で、より高い補修効果を発揮します。
キュアテイン(活性ケラチン)
毛髪のケラチンのSS結合に作用する活性ケラチンです。毛髪強度の向上、システイン酸の産生抑制などの作用があります。
シナチントップ
毛髪のダメージ補修、保護効果のある加水分解ケラチンです。低分子の親水性成分であるため毛髪内部への浸透力があり、タンパク質と結合することで効果を発揮します。
ネオソリューアクリオ
加水分解ケラチンなど水溶性有効成分の毛髪への浸透を促進する効果があります。また、親水化しているダメージ毛を疎水性に回復させるため、ダメージ補修効果もあります。
エルカラクトン
ダメージを受けたキューティクルを補修する作用があり、広がりを抑えまとまりの良い髪に整えます。熱を加えることで反応し補修効果を発揮します。
コレステロール
ナノエマルジョン化した魚由来のコレステロールです。ナノエマルジョン化することで脂質をより深く浸透させることができ高い保湿力に期待できます。
Q&A
Questions & Answers
-
Q1.ジアンカー6.0と4.5を混ぜて使うことはできますか?混ぜて使用することは可能です。
ミックスすることで、薬液の強さの調節ができます。 -
Q2.ジアンカーシリーズの対象毛を教えてください。ダメージがある髪が対象毛になります。6.0はミドルダメージ、4.5はハイダメージがそれぞれメインの対象毛になります。
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Q3.健康毛にも使用できますか?Q2であるように、基本的にはダメージ用になりますが、細毛軟毛やエイジング毛に対して、穏やかな効果を求める場合は使用可能です。
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Q4.2液は過酸化水素を使用しても構いませんか?ジアンカーは、化粧品登録になるので過酸化水素を使用することはできません。
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Q5.還元剤を足すことはできますか?ジアンカー6.0は、還元剤濃度が高いため還元剤を含む化粧品の自主基準(チオ換算で7%以下)に抵触するため、還元剤の追加はオススメできません。
ジアンカー4.5はダメージ部分専用の薬液として開発したため、還元剤の量はあまり多くありません。
従って、応用としてスピエラやGMTの溶剤として使用することは可能です。
この場合、還元剤を追加した後の総還元値がチオ換算7%以下になるように調整してください。
還元剤を追加した場合、ダメージ部分専用薬液というカテゴリーでは無くなりますので、ご注意ください。
薬液スペック
Chemical Specifications
【1液】
pH | チオ換算値 | アルカリ度 | |
ジアンカーリキッド6.0 | 6.0 | 6.73% | 0 |
ジアンカークリーム6.0 | 6.0 | 6.73% | 0 |
ジアンカークリーム4.5 | 4.5 | 2.72% | 0 |
【2液】
pH | 酸化剤濃度 | |
ジアンカーリキッド2 | 6.0 | 10% |
ジアンカークリーム2 | 6.0 | 10% |
製品ラインナップ

THE ANCHOR
Liquid 6.0
400ml

THE ANCHOR
Cream 6.0
400g

THE ANCHOR
Cream 4.5
400g

THE ANCHOR
Liquid 2
400ml

THE ANCHOR
Cream 2
400g