化学のたまねぎ
pka 追記
2021.11.30
某原料メーカーからpkaについて、コメントを頂いたので追記しておく。
pkaは、還元剤の活性化とも関連していて、その対象還元剤のpkaを知る事で、還元剤の働きを効果的にする事が出来ます。
パーマのかかりについて、もちろん還元剤を活性化させる事は非常に重要です。
ただ、同じくらい大事な事が、いかに還元剤を毛髪内部に浸透させるか、毛髪内部の反応箇所に届けられるかという事です。
いくら活性化させても、強固なダムの外側からは中に入る事が出来ません。
実は、毛髪は、水が通れる道が限られているのではないかと考えています。
限られた通り道しか無いため、還元剤をより届けるためには、通り道を作る必要があります。還元剤は、水を介して反応するので、水の通り道は重要なポイントです。
パーマ液がよくアルカリ側で使われるのは、この通り道を広げる為ではないかと思います。
いくらpkaを合わせて還元剤を活性化しても、届かなければ意味がありません。
結局、活性化させる事よりも、いかに毛髪内部の還元したい場所に届けるかが重要ではないかと思います。
by S化学 Y氏
意見としては同様で、興味を持つことに間違いはないが、それだけで薬液特性が決まる訳ではない。
薬液の中に色々な電解質が入っているし、何よりも相手の毛髪がどのような状態にあるのかでも変わってくる。
ラーメンにおいて麺のpkaやスープのpHを知ったところでラーメンが美味くなる訳でもない。
何故知りたいのか、知ってどう使いたいのか、現場の作業にどのようなメリットがあるのか、お客様の満足につながるのか。
そんな事より薬液そのものが使いやすいか、予想通りの結果が出るか、トラブルが起こった時その理由が分かるか。
そういったことの方が大切だと思うのだが。
パーマがかからなかった、ストレートが伸びなかった、ちょっとダメージしてしまった、それってpkaを考えて施術した結果だろうか。
チオグリコール酸やシステインが活性化するpHっていくつですか? って質問が来ることがある。
活性化というのはpkaのことを言っているのだろうか。
そんなのpkaに合わせるよりpH=9.2に調整した方がウエーブ効率は上がるよ。(これが上のお話ね)
活性化の位置を知ったところで、どう応用するの?
もっとね、薬液の話をしようよ。
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