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化学のたまねぎ

素材だけでいいなら料理人は要らない

2019.11.23

高級アルコール系、石油系、化学合成、天然由来、天然、オーガニック、意味が分かって使い分けている人達はほんの一部。

どれが駄目とかどれがいいではなくて、どの原料をどう使えば一番有効か、ってことが理解されないまま区別されていることが多い。

食べ物であれば天然がいい。
養殖が天然に入るか入らないかって意見はあるけど、養殖の鯛とかハマチとか、美味いよ。

この点滴は天然成分ですって言われたら、「やった天然だ」って人はいるだろか?
純度の低い天然成分とか点滴されたら生死に関わる。

 

この2例って極端だけど、化粧品原料について色々書いている人の表現も極端。

合成より天然がいいと言いながら石油は駄目?
石油って天然なんだけど、何となく合成のカテゴリーに入っている。
たぶん、石油から合成されている製品が多いからそう思われてるんだろうけど、石油自体は天然だから天然由来でいいんじゃない。

 

グルタミン酸以外のアミノ酸ってほとんど石油から作られている。
でも、表示がアミノ酸であれば天然由来と思われる。
「石油」と「石油から作られたアミノ酸」、どっちが天然由来なの???(^^;

高級アルコールもヤシ油だから天然。

どれだけ安全か有効かを議論することはいいけど、何を使っているかを議論しても実りはないし終わりもない。

高級アルコール系だろうと石油系だろうとアミノ酸系だろうと合成だろうと天然だろうと、出来上がった製品を評価すればいいだけ。
その製品に石油系の原料が必要であれば使う、由来だけで開発することはない。

 

ただ、そこにも勘違いがある。

 

「ラウリル硫酸ナトリウム」

この表示を見ると、石油系だ合成だ高級アルコールだという人達がいる。
でもこの原料、オーガニック原料として使える。
ラウリルだからとか硫酸が入っているとか、訳の分からない話はしないで欲しい。
(ちなみに、関節を潤滑されてくれるコンドロイチン硫酸ナトリウムも硫酸だと思ってるんだろうか?)

 

「ココイルグルタミン酸TEA」とか、如何だろう。

由来でいくと、ココイル=ヤシ油、グルタミン酸=サトウキビ、TEA=石油。
高級アルコールも含まれる、石油系原料も含まれる、天然由来成分も含まれる。
ではこの原料は天然なのか?
ほとんどの場合、天然由来と表現される。
天然由来は便利な言葉だが騙しているのではない、メーカーとしてはそう理解していると言う事だ。

この製品に天然って書いてあるから天然、このメーカーが天然っていうから天然。それで困る事はないけど、この製品はこの部分を以て天然と言っているんだとか、この成分はほんとは石油由来なんだけど石油も天然だから天然っていってるんだとか、元は石油なんだけど出来上がった原料が天然に存在するものだから天然っていってるんだとか、色々な見方で解釈ではなく理解していくことをお薦めする。

 

 

 

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