化学のたまねぎ
続・トリートメントって何?
2016.12.22
以前のお復習いから、、、
トリートメントをすると言う事を、「傷んだ髪を元に戻す」と考えてしまうと、トリートメントで髪は直せないと言う意見が出てくる。
たとえば、事故を起こして車のボディが凹んだ場合、たぶん板金塗装をしてなるべく元に近い形状に戻すと思う。
これをどこまで忠実に再現できるかがプロとしての腕前になる。
しかし、どんなに再現しようと一度歪んだ金属は元通りの強度には戻らない。それでもそのまま放置しておくことはしないのが普通で、所有者も修理屋も出来るだけの努力はする。
凹んだ車にも傷んだ髪にも自然治癒力はない。
艶が落ちればワックスをかける、怪我をすれば絆創膏を貼る、これが単純なトリートメントの考え方だと思う。
綺麗な髪をさらに綺麗に見せるために行うトリートメントもある。
車にワックスをかけたり、コーティングしたり、水を弾かせるのか馴染ませるのか、色々な考え方や高度な技術がそこにもある。
単にトリートメントと言う言葉だけで一纏めに片付けようとしても、片付くはずがない。
髪から抜け出たCMCやアミノ酸成分・タンパク質をそう簡単に補充することは出来ない。
出来ないかもしれないけど出来るだけやりたい、出来ることならやりたい。
そう考えるのが業界の作り手・使い手としては普通だろう。
トリートメントを学問として考えるなら、既成概念をどんどん否定していけばいいが、産業の一つとして捉えるなら、今考えられる全てのことを肯定して事にあたるべきだろう。
理論は結果の裏付けであって、理論が現場を制する訳ではない。
学問と産業を結びつけるのも結構だが、学問を中途半端に産業に結びつけると、本来正しいはずの理論や長年培ってきたはずの技術が否定された形になり、現場が混乱するだけになるのではないだろうか。
献身のない学問、品格のない知識、道徳に欠けた商売、常に力量に合った発言を行い正しいと信じた事は何故正しいと思うかしっかりと伝える。
座って半畳寝て一畳、欲を持ったところで本質を見落とせば、知識も経験も生きてこない。
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